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2月, 2018の投稿を表示しています

がん終末期の患者様との関わりに苦しんできたからこそのヨーガ

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弘前公園の桜の木 3月で3回目を迎える対人援助職のためのヨーガ教室弘前は、 対人援助職の人々が生き生きと働くにはどのようなことが必要なのか。 こうした考えから発足しました。 今日のブログは、 発起人となった弘前市在住の看護師 工藤うみさんのメッセージをご紹介いたします。 うみさんと私との出会いは今から約9年前。 インドから帰国後に開催していた港区のお寺のヨーガ教室でした。 初めてメールをいただいた時に記入されてあったご住所に驚きました。 青森県!? 当時幼稚園生だった2人のお嬢様を連れて、 夜行列車に乗ってヨーガを学びに来られていたうみさん。 その真摯なお姿を私は忘れることはありませんでした。 夢を叶えていく間にある時間や距離 数々の物理的な障害。 それらに心が折れて初心を失ってしまう人は大勢います。 しかし乗り越える人もいます。 ヨーガを学び自らも取り組むことに誠実な方の瞳の輝き。 明確な目的意識のある人は、 話を聞く姿勢が違うことを教えてくれたのもうみさんでした。 対人支援職のストレスも多大にあるであろう中、 ご家庭と子育てとの両立に加えてヨーガの学びを決意されたことは うみさんの背景にこのような理由があったからこその エネルギーであったのだろうと今拝察しております。 いつも物腰がやわらかく笑顔でいられることは、 芯のある強さの証しであることも教えてくれました。 今ここに看護師工藤うみさんとの出会いに感謝を込めて・・・ 私がヨーガに出会ったのは、 がん終末期の患者様との関わりに苦しんでいた時でした。 死への恐怖や怒りを様々な形で表出される患者様を 為すすべもなく見つめながら、 人間とは一体何なのか、 人間はなぜ生まれなぜ死んでいくのかについて今本気で学ばないと、 自分が壊れてしまうと考えはじめた時でした。 ヨーガ哲学は私のそんな疑問に少しずつ答えをくれました。 同時にヨーガの身体操法や呼吸法、 瞑想を続けていくことで、 心身のコンディションが自然に整い、 哲学の理解も促してくれました。 また、心身が安定していることは、 仕事だけだなく私の生き方全体に良い影響を与えてくれ

50歳からの老いじたく人生後半戦のためのヨーガ

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インドには人間の一生を4つの人生に分けた アーシュラマ(四住期)という生き方の法則があります。 ですからヨーガも年齢に合わせてコーディネートしていくことが望ましいのです。  なぜなら50代からの健康管理、人生のとらえ方、 心の整え方、学んでおくべきことは それ以前の年代とは次元が異なってきます。  人生のターニングポイントを通過し、 山を下っていく流れの中では 潔く手放していかなければならない境遇に接し、 諦念の心を養わざるを得ない機会が多々訪れます。  年齢に関係なく健康であれば、 したいことを何でもできるかもしれません。 しかしアーシュラマに沿って人生を考えると、 歳を重ねれば重ねるほど肉体よりもむしろ 精神性を磨く方が重要になってきます。  若い時は無我夢中の境地を体験します。 がむしゃらに頑張り失敗も経験します。 だからこそ年齢を重ねてそなわるものが内面の智慧なのです。  精神性、知性、霊性の心、 いわゆるスピリチュアルな側面が引き出されてくるのは まさに中高年からの年代です。 しかし現代人は生命の法則に逆らうかのように、 いつまでも若く頑張っていようとする、 若い時と同じ状態を保つことを勧める情報社会に 踊らされてはいないでしょうか?  「もっと動けるようになりたい、 もっと食べられるようになりたい」という頭の考えとは逆な方へ 心も身体も変化しているかもしれないのです。  この時身体の声を聞く耳を持たず、 我で押し通そうとすると身体に対する執着がとれず 最終的にはこの肉体を手放さなければならない時に 苦しむことになりかねないのです。 ですから心も身体も自然の変化に抗わず、 精神的年齢を引き上げていく重ね方ができるように、 運動のやり方ひとつとっても 身体を通して内側の知性と品格を目覚めさせ、 人格上に引き出す方法に変えていく必要があるのです。

不安になるから身につけたい!瞑想という生きる力

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私たちがヨーガのレッスンに取り組むのは、 何も世俗を捨てて山にこもって修行するためではなく 日常のほとんどが頭の声でいっぱいだからです。 中には頭の声がさほど気にならないという人もいます。 「えっ!私はこんなに気になるのにナゼ?!」 私の頭の中だけがネガティブなんじゃないの? 心配になりますよね。 それはどういうことかと言うと、 自分の体に誰か他の人が入っても全く気づかずに、 その人に突き動かされているのと似ています。 ですからヨーガのプラクティスの目的は、 頭の声と自分の意識をしっかり区別できるようになることを目指しています。 ヨーガレッスンのメインテーマは瞑想です。 瞑想は心を一点に集中させることから始めていきます。 とは言え、 好きなようにどこにでも心を留めて良いわけではありません。 テレビを眺めることだけに集中するとか、 好きな食べ物や好きな人のことを考えることに集中するとか。 これも一種の心の集中ですが、 これでは日常の心の使い方と変わりませんね。 日常的な心ではすぐに想像が始まり、 やがてはネガティブな方へ傾倒してしまいます。 ヨーガにおける心の一点集中は、 繊細なものに意識を向けることです。 呼吸のリズムや心臓の鼓動、鼻から出入りする空気。 これらは日常的な粗い心の調子では 意識することに困難を感じます。 気持ちを向けてもすぐに飽きてしまったことがありませんか? これは日常の心からヨーガの心に切り替わっていないうちに 一点集中を始めてしまうからです。 ですから体を使って(動かして)、 心を繊細なものに向かえるように調整していくのです。 この時の体の使い方は、 もっと動いて汗をかこう!とか 無理をして歯を食いしばってやるとか、 闇雲に次から次にエクササイズしていくやり方とは異なります。 心を一点集中に向けて準備していくための体操なので、 ・自分の呼吸に集中する ・ポーズの刺激(心地よい)に集中する ・ポーズの刺激とポーズを外した後の間をとる ・上の空ではなく意識して行う 難しいポーズに挑戦し始めると、 この4つは守れなくなりますね。 「頑張る」とい